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「プライマー」

錯綜する四日間の軌跡にはまる

© 2004 Primer Movie,Ltd.
© 2004 Primer Movie,Ltd.
2004年のサンダンス映画祭で、審査員大賞と、A・P・スローン賞のダブル受賞を果たした新作「プライマー」。各メディアでも絶 賛を浴びている注目作でありながら、少なくとも5回は見る必要がある(ニューヨークタイムス紙)との評判どおり、この上なく難解な映画だ。見終わった後は 何がどうなったのか、ストーリーを捉えるのが非常に困難。それもそのはず、これはタイムマシンによってよじれてしまった現在、過去、未来が錯綜していくス トーリーなのだ。しかしタイムマシンと言っても華々しいタイムトラベルでもなければ、手に汗握る冒険譚でもない。ハリウッド的SFではなく、たった4日 間、過去に戻るだけの、むしろドキュメンタリーといった色合いの作品になっている。それは、この監督がエンジニア出身という異色の経歴を持っているからに ほかならない。この映画がデビュー作にして、制作、脚本、編集、撮影、音楽、そして主演までこなした監督、シェーン・カルースの恐るべき才能をまずは堪能したい。

© 2004 Primer Movie,Ltd.
© 2004 Primer Movie,Ltd.
 ストーリーは、ガレージで機械を組み立てては販売する、しがないエンジニア2人が、超伝導の重力軽減装置の開発から偶然にタイムマシンを作ったこ とから動き出す。2人はタイムマシンを使い、半日だけ過去に戻って株価を操作し、大金を手に入れる。しかし、今現在の自分、過去の自分、未来の自分ーいつ しか分身が同じ時間軸のなかで活動を始め、信頼関係は崩れ、制御不能なまでに時間がよじれていく。今ここにいるのは、本人?それとも分身?今見ている事実 は今現在のことなのか?それとも過去に起こったことなのか? 誰が何の目的でここにいるのか? 様々なシーンが入れ替わり、コラージュされ、観ている私た ちももゆがんだ時間へいやおうなく巻き込まれていく。
© 2004 Primer Movie,Ltd.
© 2004 Primer Movie,Ltd.
 映画を観た後、何度も反芻し、そのシーンが何を意味していたのか考えさせられる、そんな脳細胞を刺激したい人にはおすすめの作品。
また、アメリカのガレージ起業家をリアルに描いてるところも興味深い。資金不足や投資家へのアプローチなど、アメリカのビジネスを別の角度から学べる映画でもある。

「プライマー」
2004年アメリカ映画
監督・主演他 シェーン・カルース
配給 バップ+ロングライド
9月24日(土)〜ライズX(渋谷)上映 全国順次上映予定
http://www.primer-japan.com/

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