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第9回 : China rivalry fuels Japan’s FTA drive


今回のキー表現 free-trade agreement (FTA)


China rivalry fuels Japan’s FTA drive

By Hisane Masaki

Japan is revving up its drive toward free-trade agreements, or FTAs, with trading partners, largely fueled by an intensifying rivalry with China, a rapidly ascendant economic as well as military power. As the World Trade Organization’s trade talks falter, countries all over the world are pursuing their own separate FTAs with trading partners. 

(Japan Focus   March 12, 2006)

*引用文は原文と一部異なることもあります

  • rivalry 競争、競争意識、対抗
  • fuel 燃料; 〜に燃料を供給する、〜に油を注ぐ、元気づける
  • FTA (= free-trade agreement) 自由貿易協定
  • drive (車の)旅, ドライブ;(組織的)運動;(事業などの)推進力, 積極的な努力
  • rev up (エンジンの)回転数を上げる、回転速度を上げる、増す、速める
  • trading partner 貿易相手国
  • largely 主に、主として、大体は
  • intensifying 激しくなる、強まる
  • rapidly ascendant 急速に台頭する
  • military [economic] power 軍事[経済]大国
  • World Trade Organization (= WTO) 世界貿易機関
  • trade talks 貿易交渉
  • falter よろめく、つまずく、行き詰まる
  • all over the world 世界中で
  • pursue 追求する、追い求める
  • separate 個々の、別個の

和訳

軍事的のみならず経済的にも急速に大国として台頭する中国との競争が激しくなっていることなどを背景に、日本が貿易相手国との自由 貿易協定(FTA)締結に向けた動きを加速している。世界貿易機関(WTO)の貿易交渉が行き詰まる中、世界中の国々が貿易相手国とのFTA締結に動いて いる。

覚えておきたい関連・応用表現

  • economic integration  経済統合
  • regional integration  地域統合
  • North American Free Trade Agreement (= NAFTA)  北米自由貿易協定
  • European Union (= EU)  欧州連合
  • ASEAN Free Trade Area (= AFTA)  アセアン自由貿易圏 (注)ASEAN はAssociation of Southeast Asian Nations 「アセアン、東南アジア諸国連合」の略
  • Mercosur メルコスル、南米南部共同市場
  • ASEAN Plus Three (= ASEAN+3) アセアン・プラス・スリー (注)アセアン10か国と日本、中国、韓国の3か国の地域協力の枠組み
  • East Asia Summit 東アジア首脳会議、東アジア・サミット
  • East Asian Community (=EAC) 東アジア共同体 (注)まだ構想の段階
  • customs union 関税同盟
  • free trade area 自由貿易地域
  • common market 共同市場
  • economic partnership agreement (= EPA) 経済連携協定
  • dispute settlement mechanism 紛争解決メカニズム
  • Doha Development Agenda ドーハ開発アジェンダ (注)WTOのもとで現在行われている新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)の正式名称

解説


日 本政府が自由貿易協定(FTA)交渉を加速し始めた。FTA先行国との輸出競争で不利となる恐れが出てきているためだけでなく、急速に経済大国として台頭 する中国をにらみ、アジア諸国とFTA早期締結で関係を強化し、「東アジア共同体」構想などで主導権確保を目指すとともに、中東産油国などエネルギー資源 の豊富な国ともFTA締結を通して関係強化・資源の安定供給確保を図る狙いがある。FTAは1990年代初頭から増え始めた。代表的なものとして、米、 加、墨間の北米自由貿易協定(NAFTA), 2004年に新たに10か国が加盟し計25か国となった欧州連合(EU)、ブラジル、アルゼンチン、ウルグ アイ、パラグアイの中南米4か国の関税同盟であるメルコスルなどがある。21世紀に入るとFTA締結の動きはさらに加速し、世界貿易機関(WTO)の新多 角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)がこう着状態にある中、各国は競い合うように貿易パートナーとのFTA締結に動いている。

日本はこれま でに、シンガポール、メキシコ、マレーシアとFTAを締結。 フィリピン、タイとも基本合意している。また、韓国、インドネシア、アセアン(東南アジア諸 国連合、加盟国10か国)全体とも交渉中だ。最近になり、日本がFTA交渉を加速させ始めた。2月には、ベトナムと正式な交渉の前段階となる予備協議を 行っており、今夏にも正式交渉入りする。同じく2月末に、南米のチリとの間でもFTA交渉が開始された。4月には、昨年夏以降中断していたアセアン全体と の交渉も再開され、さらに今夏にも、インド、ブルネイ、そしてサウジアラビアなどの中東産油国6か国で構成される「湾岸協力会議(GCC)」ともFTA交 渉に入る方針だ。その後には、豪州、スイス、南アフリカなどとのFTA交渉も見込まれている。日本がこれまで締結ないし交渉してきたFTA は、厳密に言うと、経済連携協定(EPA)と呼ばれている。FTAがモノの関税撤廃を目指すのに対し、EPAは投資、サービス、知的財産保護、人的交流な ど幅広い分野での経済協力関係緊密化を図る。FTAに比べると、より高いレベルの協定と言える。だが、それだけに、交渉には合意までに時間がかかり、モノ の貿易に限定した協定の締結を各国と積極的に進める中国などと比べ、日本がFTA交渉で出遅れた原因ともなっていた。そこで日本政府は3月上旬、EPAを 最優先にした従来の方針を見直すことを決めた。

日本政府は、「東アジア共同体」構想を含め、アジア地域での中国の突出した影響力を抑える ため、中国に次ぐ世界第2の人口大国で、中国同様に今世紀半ばまでに世界の経済大国となる見通しのインド、そして先進民主主義国家である豪州との関係強化 を特に重視している。日本と中国との間では、石油・ガスなどのエネルギー資源確保を巡るつばぜり合いも激しくなっている。日中間のエネルギー資源権益争い は、東シナ海のガス田問題、ロシア・シベリア産原油のパイプラインのルート問題などに加え、石油資源の豊富な中東にも広がる兆しを見せている。中国は既に 昨年4月、中東産油国との関係強化を狙い、GCCとFTA交渉を開始している。日本は原油のほぼ全量を輸入しており、GCCとの関係強化は、原油価格が 中・長期的に高止まりする見通しの中、日本のエネルギー安全保障上、喫緊の課題となっている。日本政府は、GCCとのFTAでは、緊急時の原油の優先供給 なども盛り込みたい考えだ。

今回のテキストの英文でも、書き手が、単に言いたいことを伝えるだけでなく、ひとつひとつの単語にも注意を 払っていることがわかる。 drive という単語を使い、わざわざ同じように自動車に関係する rev up  という動詞を使っている。その後や見出しには fuel という、これまた自動車に関係する単語を動詞として使っている。英文記事を書く際は、事実が正確 で、文法的にも正しく、意味が十分かつ明確に伝わることは絶対条件だ。 だが、それだけでは海外の高級紙に掲載される記事としては十分ではない。文学的セ ンスも書き手に求められる。

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