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きょうこ先生

第24回: 小学生の英語教育って必要?

執筆者: きょうこ先生 場所: 東京
掲載日: 2006-06-05

文部科学省が、小学校高学年での英語授業を義務化することについて審議を始めたことは、すでにみなさんもご存知かと思います。東京都知事の石原慎太郎氏などは「日本語がまだ完全でない段階で英語教育を始めても意味がない」として批判を浴びせていますが、私自身は反対でも賛成でもない、というのが正直なところです。

石原都知事の言うように「まずは日本語だ」という意見は本当にまっとうな意見だと思います。外国語は、いくらがんばっても母国語以上にはうまくなりませんから、上を目指せば目指すほど母国語の能力は必須だと思います。ただ、それを言うなら「中学生なら日本語を完全にマスターしているの?」とつっこみたくなっちゃいますよね。

一方「外国語学習は若ければ若いほどのみ込みが早いんじゃない?」と思ってしまうママたちの気持ちもわからないではありません。親の海外赴任について行った子供たちが、すぐに現地の子供たちと楽しそうに遊んでいるのに、親はいつまでたっても周囲になじめない、なんて話を聞いたりすると、余計に「やっぱり外国語は子供の方が吸収力がいいんだわ」と思ってしまうのでしょう。

しかし、海外で生活をしている子供と大人の言語習得能力を比較した調査では、初期段階では確実に大人の方が早く言語を習得するという結果も出ています。それは、大人が論理的に言語を分析する力を持っているからなのです。

では、なぜ「外国語は子供の方が習得が早い」と思われているのか。それは、様々な要因が挙げられますが、ひとつ確実に言えることは、子供達が遊び友達を作ることに必死になるということです。友達をつくること、そして遊ぶことは、子供にとって死活問題ですから、そのために必要最低限のコミュニケーションツールとして言葉を使います。「スーパーで買い物さえできればいいわ」というママとはモチベーションからして違います。しかも、子供であればあるほど話す内容も簡単です。「Hey Bob! Wanna play the game after school?」というだけで、友達と楽しく遊べたりするのです。子供が現地の友達と話している内容は、実はとっても基礎レベルの内容でしかなかったりするのです。

さて、話を日本に戻しましょう。日本での英語教育は、基本的には英語を論理的に分析した上で覚えていく方法ですよね。となると、数学の問題を解くのと同じで、多少分析力のある中学生の方が習得力はあると思います。「いやいや、小学生での英語教育はそういうのじゃなくって、英語に慣れ親しんでもらうためのものですよ」となると、単に学校で「Hi! How are you?」を練習したところで、それが将来の英語力向上にどれほどいい影響を与えるかは疑問です。英語なんて勉強しなくても、友達とは日本語で遊べちゃうし、挨拶を覚えたり、リンゴはAppleだという単語を覚えたって、結局中学生になると分析力を持って英語の勉強をしなくちゃいけないんですから。

私の場合、英語が得意になったのは、以下のような考えからでした。それは、「小学校低学年の頃には100点を採ることなんて簡単だったのに、だんだん難しくなってきたなぁ。それはきっと、どこかでつまづくとそれが後々まで影響しちゃうからなんだろうなぁ。よぉし、英語は中学で1からのスタートだし、絶対つまづかないぞ。中学でも100点を採るには英語しかない!」というものです。このモチベーションがずっと続き、「英語バカ」の道まっしぐらとなったわけです。

結局、いきなり海外に連れて行かれて「友達がほしい!」と切実に思ったり、私のように「100点を採る!」と決意したり、何らかのモチベーションがなければ、英語教育も他の科目と一緒で、学校での単なる一科目に過ぎないんですよね。それが数年早く始まることで、日本人の英語力にどの程度影響を与えるのか、私には見当がつきませんが、賛成・反対という立場を取ることなく、おとなしく見守っていたいと思います。

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