ebenkyo

メインメニュー

eBenkyoの記事を検索

キーワード:
プロの時事英語

第13回 : A cultural guardian

執筆者: 正木寿根
掲載日: 2006-07-13


今回のキー表現 war-torn


Japan, a would-be cultural guardian

By Hisane Masaki

A non-partisan group of Japanese lawmakers from the ruling coalition and the largest opposition party is preparing new legislation to help restore cultural heritage that has been destroyed in Afghanistan, Iraq and other war-torn areas. For example, two giant statues of the Buddha at Bamiyan in Afghanistan - dating back to the 6th century - were destroyed by the Taliban in March 2001. And the National Museum of Iraq was looted as the country was thrown into confusion after the 2003 US invasion.
 (Asia Times   April 22, 2006)

*引用文は原文と一部異なることもあります
  • would-be 自称の、 ひとりよがりの、~になるつもりの
  • guardian 守護者、保護者
  • non-partisan 超党派の
  • lawmaker 議員、立法者
  • ruling coalition 連立与党、連立政権、与党連合
  • opposition party 野党
  • prepare 用意する、準備する
  • new legislation 新法
  • restore 修復する
  • cultural heritage 文化遺産、文化財
  • war-torn 戦争で引き裂かれた[荒廃した・破壊された]、戦火に引き裂かれた[まみれた]
  • statue (彫)像
  • Buddha 仏陀、釈迦
  • date back to ~に起源を持つ、~に由来する、~年に遡る(ことができる)、~年に作られた
  • Taliban タリバン
  • loot 略奪する (注)「略奪」はlooting。pillageも「略奪する;略奪」を意味する単語。
  • thrown into confusion 攪乱する、狂わせる、振り回す、ゴチャゴチャにする
  • invasion 侵入、侵略

和訳

日本の与党と最大野党の超党派議員グループが、アフガニスタンやイラクなどの戦火にまみれた地域で破壊された文化遺産の修復を支援するための新法を準備している。アフガニスタンのバーミヤンでは、6世紀に建てられた巨大仏像2体が2001年3月、タリバンによって破壊された。イラクでは、2003年の米軍進攻後の混乱の最中、国立博物館が略奪された。

覚えておきたい関連・応用表現

  • United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization (UNESCO)   ユネスコ、国連教育科学文化機構 (注)国連の機関。本部はパリ。
  • cultural exchange 文化交流
  • ratify (条約を)批准する
  • take effect (条約が)発効する
  • World Heritage Treaty (ユネスコの)世界遺産条約
  • world heritage 世界遺産
  • national treasure 国宝
  • living national treasure 人間国宝
  • cultural asset (= cultural heritage) 文化遺産、文化財 (注)cultural propertyも「文化財」の意。
  • historical monument 歴史的記念物
  • preservation and restoration of cultural assets 文化財の保存・修復
  • important cultural asset 重要文化財
  • tangible cultural asset 有形文化財
  • intangible cultural asset 無形文化財
  • ruins of a castle 城跡 (注) ruins以外に relics; remains も「遺跡」を意味する単語。 「~の遺跡を発掘する」は excavate the ruins of ~。
  • illicit trade in cultural assets 文化財の不法取引
  • stolen cultural asset 盗難文化財

解説


第13回 : A cultural guardian
自民、公明、民主3党の有志議員のグループが、共産、社民両党などにも呼びかけて、戦争などで損傷したりした海外の文化遺産の保護・修復に日本が積極的に協力することを義務づける法律の成立を目指している。こうした議員立法の動きは大いに歓迎されるべきものだ。とはいえ、日本政府がこれまで海外の文化財保護協力に消極的だったというわけではない。むしろ、この20年は、先進国の中でも最も熱心な国として評価も高まっている。軍事的な海外活動が憲法上の制約から限られている日本は、1980年代末から世界第2位の経済大国としての国際貢献の柱のひとつに国際文化交流を掲げてきた。その中でも、特に国連を通じての世界中の貴重な歴史遺産の保存・修復への協力は高い評価を得ている。1989年には、歴史的重要建造物や考古学的遺跡などの有形の文化遺産の保護・保存を目的とした「ユネスコ文化遺産保存日本信託基金」を設立した。日本は毎年、同基金に200~300万ドル拠出してきた。これまでに同基金を通じて世界各地の遺跡の保存・修復活動が行われている。また、2003年4月、文化財の保護をイラクの復興支援策の柱のひとつと位置づけている日本は、イラクの文化財保護修復を目的に、「ユネスコ文化遺産保存日本信託基金」へ100万ドルの追加拠出を決定した。このような積極的な文化外交の成果として、1999年末、日本の松浦晃一郎元駐仏大使がユネスコ事務局長に選ばれている。

日本の文化財の「守護者」としての評価が国際社会で高まる一方、日本は長年、違法文化財貿易の温床となっているとの批判がつきまとっていた。ほんの数年前には、他国の文化遺産の復旧・保存に手を貸している日本が、外国で盗掘されたり盗難にあったりした文化的・歴史的な遺産の主要なブラック・マーケットになっているとさえ言われた。このような問題に対する認識が高まり、違法文化財取引を防止するための主要な国際条約であるユネスコ条約を日本はようやく2002年に批准、同年加盟した。条約加盟に伴い、条約の義務を履行するための国内法を整備した。当時、ユネスコ条約に加盟していない日本以外の先進国は、英国などわずかであった。ユネスコ条約は1972年に発効しており、日本は30年間、国内法との整合性などを理由に真剣に批准・加盟に向けて取り組んでこなかった。ユネスコ条約加盟により、日本での違法文化財取引が減ったのかどうかは、警察などの公式統計もないためわからない。また、ユネスコ条約に加盟したとはいえ、文化財保護に関する国際条約には他にハーグ条約(武力紛争の際の文化財保護に関する条約で1954年に採択)、ユニドロワ条約(盗難文化財の返還に関する条約で1995年に締結)の2条約があり、日本はいずれも未加盟だ。文化財保護に向けての真剣な姿勢を示すためには、これらの2条約にも早期に加盟すべきとの声は国内でも強い。また、中国や韓国などでは最近、日本によって過去に「略奪」されたとされる文化財を取り戻そうとする動きが強まっており、日本は文化財の「略奪者」としての顔も併せ持つとの印象を国際社会に与えている。

今回のキー表現 war-torn とほぼ同じ意味で使われる表現にwar-ravaged; war-devastated; war-shattered; war-battered; war-wrackedなどがある。war-wearyは「戦争に疲れた、戦争で疲弊した」の意。ある程度以上の長さの英文になると、同じ意味の表現を繰り返す必要が出てくることも多いが、同じ英語表現を繰り返していては文章としてはレベルの低いものになってしまう。いくつか表現のバリエーションを知っていて使いこなせるようになると、英文のレベルがアップする。

バックナンバー

投稿

この記事に対するコメントはまだ投稿されていません。あなたの見解やアイディア、みんなの役に立つ情報を入力し、他のユーザーと積極的に意見交換しましょう。

投稿する