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第16回 : Koizumi’s shrine visit

執筆者: 正木寿根
掲載日: 2006-09-04

今回のキー表現 make a pilgrimage to


Koizumi's last defiant gesture

By Hisane Masaki

TOKYO - In defiance of both domestic and foreign pressure, Japanese Prime Minister Junichiro Koizumi made a widely anticipated pilgrimage to the controversial war-related Yasukuni Shrine in Tokyo on Tuesday, his first such visit on the anniversary of Japan's World War II surrender.
 (Asia Times   August 16, 2006)

*引用文は原文と一部異なることもあります

  • defiant  挑戦的な、反抗的な
  • gesture  ジェスチャー、身振り、手振り、しぐさ
  • in defiance of  ~に逆らって、~をものともせずに、~を無視して、~にかまわず
  • make a pilgrimage to  ~に長旅をする、~に参詣する、~に巡礼する
  • anticipated  予想された、予期された
  • controversial  論議[論争]を呼ぶ
  • war-related  戦争に関係のある
  • Yasukuni Shrine  靖国神社
  • surrender  降伏、降参;降伏する、降参する

和訳

日本の小泉純一郎首相は火曜日(8月15日)、国内・海外からの圧力にかまわず、論議を呼ぶ東京の靖国神社への参拝を大方の予想通り行った。小泉首相が戦争に関係のある同神社を日本が第二次大戦で降伏した記念日にあたる8月15日に参拝したのは初めて。

覚えておきたい関連・応用表現

  • wartime atrocities  戦時の残虐行為
  • militarism  軍国主義
  • militarist  軍国主義者
  • glorify  栄光を与える、美化する  (注) glorify Japan's military aggression against other Asian countriesは「他のアジアの国々に対する日本の軍事侵略を美化する」。
  • whitewash  ごまかす、もみ消す  (注) whitewash Japan's wartime atrocitiesは「日本の戦時中における残虐行為をごまかす」。
  • gloss over  糊塗する、美化する  (注) gloss over Japan's wartime atrocitiesは「日本の戦時中の残虐行為を美化する」。
  • war dead  戦死者、戦没者
  • war criminal  戦争犯罪人、戦犯
  • Class A war criminal (= Class-A war criminal) A級戦犯  
  • enshrine  祭る、安置する
  • aggression  侵略
  • war of aggression  侵略戦争
  • colonial rule  植民地支配
  • colony  植民地
  • colonize  植民地化する
  • colonization  植民地化

解説

第16回 : Koizumi’s shrine visit
今年の終戦記念日の8月15日、小泉首相が東京・九段北の靖国神社を参拝した。現職首相の8月15日の参拝は1985年の中曽根首相(当時)の公式参拝以来、21年ぶりだ。中韓両国は強く反発しており、9月の自民党総裁選でも靖国問題が大きな争点となるのは確実だ。小泉首相は2001年の自民党総裁選で8月15日の参拝を公約しており、在任中に公約を果たしたかったのは事実であろう。小泉首相は就任した2001年には参拝を8月13日に前倒しし、その後も中国、韓国などに配慮し、日付をずらして年1回参拝してきた。しかし、終戦記念日をはずした首相のこれまでの靖国参拝に対しても中韓の反発は強く、昨年以降は首脳会談を拒否している。終戦記念日の参拝の可能性が囁かれる中、参拝しないと中韓の圧力に屈したとの印象を与えてしまうという判断も首相にはあったのであろう。首相は参拝の数日前、2001年の公約について「公約は生きている。守るべきものだ」と明言していた。参拝後には「8月15日を避けても批判、反発は変わらない。いつ行っても同じだ。ならば、今日は適切な日ではないか」と述べた。小泉首相が終戦記念日の靖国参拝に踏み切ったのには、国内政局を見据えての判断もあったであろう。9月の自民党総裁選では安倍官房長官が首相の意中の人というのは周知の事実だ。安倍氏の自民党総裁・首相就任は本稿執筆時(8月下旬)で既に確実視されている。その安倍氏だが、今年4月に靖国神社を参拝していたことが最近になって明らかになった。安倍氏自身は、参拝をしたかどうか、また今後参拝をするかどうかは言わないとしている。4月に参拝を済ませたことで、自民党総裁・首相に就任しても少なくとも年内の参拝はない、との見方が一般的だ。小泉首相が終戦記念日に参拝したのには、安倍氏が参拝しやすい環境を整える狙いもあった、との見方もある。

安倍氏は首相に就任しても、靖国参拝をしたかどうかや今後するかどうか言わない考えを表明している。参拝が確認できない以上、中韓としても批判のしようがない。しかし、首相の靖国参拝がいつまで隠しとおせるのか大いに疑問である。中韓としては、次期首相が「在任中に靖国参拝をしない」と明言してくれれば早期に首脳会談に応じ、関係修復を図りたい考えだ。ただ、安倍氏は参拝をしたかどうかや今後するかどうか言わないと表明している以上、予想通り、安倍氏が首相に就任した場合、参拝をしないと明言することを関係改善プロセスの始まりの条件としてしまえば、現状のまま膠着状態が続く可能性が高い。当面、11月にベトナムのハノイで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の際に日中・日韓首脳会談が開かれるかどうかが焦点となろう。首相の靖国参拝については、昭和天皇がA級戦犯合祀に不快感を示したとされる当時の宮内庁長官のメモが7月に明らかになった。一方、東京裁判を見直そうとする動きも高まっている。小泉首相の終戦記念日の靖国参拝で、9月の自民党総裁選に向けて、首相の参拝の是非のほか、A級戦犯の分祀、靖国神社の非宗教法人化などをめぐる論議がますます活発化している。小泉首相の終戦記念日参拝の是非はさておき、一つだけ言えることは、参拝によって政界だけでなく広く国民全体が靖国問題と正面から向き合わざるを得なくなったことは小泉首相の功績と言えるだろう。

日本語の新聞などでは「靖国神社を参拝する」という表現を何度使ってもおかしくないが、海外の一流紙などに英文で記事を書く場合はそうはいかない。同じ表現を何度も繰り返すことはできない。「靖国神社を参拝する」はvisit Yasukuni Shrineとすれば一番簡単であるが、「今回のキー表現」のmake a pilgrimage to Yasukuni Shrineという言い方もある。pilgrimageは「巡礼」、pilgrimは「巡礼者」の意味。そのほかに make a visit to Yasukuni Shrine; pay a visit to Yasukuni Shrine; pay one's respects at Yasukuni Shrine; worship at Yasukuni Shrine; pray at Yasukuni Shrineなどの言い方もある。また、「戦没者を追悼する」はpay tribute to the war dead; pay homage to the war deadなどの言い方がある。

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