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第17回 : Tokyo’s Olympic bid

執筆者: 正木寿根
掲載日: 2006-09-20

今回のキー表現 edge out


Tokyo to bid for Olympic glory

By Hisane Masaki

TOKYO – Tokyo has won the hotly contested race to become Japan's candidate site to bid for the 2016 Summer Olympic Games, edging out its only rival, Fukuoka in western Japan. But a highly jubilant Tokyo still has a long way to go before reaching the goal of actually hosting the quadrennial sporting extravaganza for the second time since it first did so in 1964.
(Asia Times   August 31, 2006)

*引用文は原文と一部異なることもあります
  • bid for  ~に入札をする[行う]、~を狙う、~を手に入れようとあれこれ努力する
  • glory  栄光、誇り、壮観、荘厳、繁栄
  • hotly contested  激しく争われた
  • race レース、競争
  • candidate site 候補地
  • Summer Olympic Games  夏季五輪、夏季オリンピック
  • edge out  ~に僅差で勝つ、辛勝する
  • rival  ライバル、競争相手
  • highly  大いに、非常に、極めて
  • jubilant  大喜びの、喜び[歓喜]にわく
  • have a long way to go  前途遼遠である
  • quadrennial  4年ごとの
  • extravaganza  絢爛(けんらん)豪華な催し

和訳

2016年夏季五輪の国内候補地をめぐって東京と西日本の福岡との間で激しい争いが展開されたが、東京がわずかな差で勝った。しかし、大変な歓喜にわく東京だが、1964年以来2度目となる4年に一度のスポーツの祭典の招致というゴールまでの道のりはまだ遠い。


覚えておきたい関連・応用表現

  • the International Olympic Committee (= IOC)  国際オリンピック委員会
  • the Japanese Olympic Committee (= JOC)  日本オリンピック委員会
  • the Olympic Games (= the Olympics)  オリンピック、五輪  (注)「オリンピックを招致する[主催する、開催する]」は host the Olympic Games[Olympics]。
  • host city  主催都市、招致都市
  • selection committee  選考委員会
  • international sporting event  国際スポーツ競技[行事]
  • arena  アリーナ、競技場、活動領域
  • main stadium  メイン・スタジアム
  • accommodation facility  宿泊施設
  • athlete  運動選手、競技者
  • sports association  スポーツ団体
  • economic ripple effect  経済波及効果

解説

第17回 : Tokyo’s Olympic bid
2016年夏季五輪の国内候補都市が東京都に決まった。8月末に行われた選考委員会(委員55名)の投票で、ライバルの福岡市を33対22票で破った。世界第2位の経済大国の首都であるという知名度、財政力、そしてメイン・スタジアム、選手村など主要施設はすべて都所有地で新たな土地取得の必要がないなど計画の実現可能性の高さが決め手となったようだ。東京で開催されれば1964年以来、2度目となる。とはいえ、2016年夏季五輪開催に向けた国際競争はスタートしたばかりだ。ゴールとなる2009年10月の国際オリンピック委員会(IOC)総会までの道のりは険しく長いものとなろう。米国、スペイン、イタリア、ブラジル、インド、カタールなども開催に意欲を示している。今回、東京が福岡を破り国内候補都市に選ばれた最大の理由は、こうした強力なライバル国を相手に開催国の栄冠を勝ち取れるかどうかという点で東京に軍配が上がったからであろう。2012年夏季五輪開催都市は昨年、ロンドンに決まったが、最終選考まで残ったのはいずれも世界の大都市ばかりであった。日本では過去三回、五輪が開催されている。夏季五輪では1964年の東京五輪、冬季五輪では1972年の札幌五輪と1998年の長野五輪だ。名古屋は1988年夏季五輪開催を目指したが、結局、韓国・ソウルに敗れている。また、大阪も2008年夏季五輪誘致を目指したが、結局、中国・北京に敗れた。

1964年の東京五輪といえば、日本のお家芸であった柔道の無差別級決勝でオランダのアントン・ヘーシンクに神永昭夫5段が敗れたこと、女子バレーボールで「東洋の魔女」と言われた日本チームが金メダルを獲得したこと、エチオピアの「裸足のアベベ」が五輪史上初めて、マラソンで2度目の金メダルを獲得したことなど、中高年の日本人にとっては懐かしい思い出である。アジア初の開催となった東京五輪は戦後の日本の急速な復興を世界に印象付けた。五輪開催に合わせて東京―大阪間に東海道新幹線も開通している。東京五輪はまた、日本の経済大国としての台頭を告げた。同年に日本は「世界の金持ちクラブ」と呼ばれた経済協力開発機構(OECD)に加盟した。そして、4年後には米国に次ぐ世界第2位の経済大国となり、現在に至っている。戦後最長の景気拡大となった「いざなぎ景気」は東京五輪開催の翌年に始まり、大阪万博が開催された1970年まで57か月続いた。もちろん国内経済への波及効果も大きかったが、世界に対するメッセージという意味でも、1964年の東京五輪には大きな意味があった。しかし、2016年夏季五輪となるとどうか。多くの日本人が「なぜ今、日本でオリンピックなのか」という素朴な疑問を抱いているのは間違いない。新聞各社の世論調査によると、7割前後の人が2016年夏季五輪を日本で開催することに賛成している。しかし、漠然と賛成か反対かを問われれば、「賛成」と答える人が多くて当然である。世論調査で、「積極的に賛成する」「どちらかといえば賛成する」というように聞かれれば、後者の消極的賛成の割合が結構高いと推測される。オリンピック開催によって、どういう魅力あるメッセージを世界に向けて発信できるのかが問われている。

選挙や評決などでの「僅差で」はnarrowly; by a narrow margin; by a slim margin といった言い方が一般的だが、「本当に僅差で」と強調して言いたい場合、by a hair-thin margin という言い方もある。hair-thinは「髪の毛のように細い」の意味。hairの代わりにpaperやwafer などを使って by a paper-thin margin; by a wafer-thin margin と言うこともできる。too close to callは「接戦で勝敗の予測がつかない」、neck-and-neck raceは「ツバ競り合い、互角の試合、接戦」、dead heatも「デッドヒート、引分け、互角のレース、互角の試合」の意味。ちなみに、unanimously 「全会一致で、満場一致で」、overwhelmingly「圧倒的多数で」、vote unanimously「満場一致で票決する、全会一致で可決する」、decide by a majority vote「(投票による)多数決で決める」といった表現もついでに覚えておきたい。また、outbid は「(競売などで)~よりも高く値をつける」の意味。 

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