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Thank you for smoking
執筆者: 三田法子
掲載日: 2006-10-17
“タバコを売り込む者、怖いものなし!”
天下無敵のPRマンVS禁煙運動家の痛快傑作コメディ
原題は「Thank you for smoking」。このご時勢にあって、肩身の狭い日常を過ごしているの喫煙家にとっては、なにやらありがたいタイトル。やめられない嗜好品は人それぞれ。でも一体なぜタバコだけがこうも糾弾されるんだ!チョコレートはどうだ!肥満になるぞ!虫歯になるぞ! この映画は、喫煙家の屁理屈的思考を皮肉たっぷりに代弁してくれる。主人公のニック・ネイラー(アーロン・エッカート)はタバコ研究アカデミーの広報部長。彼は “情報操作”(spin)を巧みに使い、禁煙運動家のバッシングから軽々とすり抜けてしまう敏腕PRマンだ。同じく世間から「悪」とされるアルコール業界の広報ポリー(マリア・ベロ)と銃製造業界の広報ボビー(デヴィッド・コークナー)との3人でモッズ特捜隊(Merchant of Deathの頭文字)を結成。お互い愚痴りあいながらも、次なる戦略を練っている。煙草のPRマンとして、向かう所敵なしのニックだったが、取材を受けることで知り合った女性新聞記者ヘザー(ケイト・ホームズ)とベッドインしたのが仇となり、事態は急変。全てを失い「世間の嫌われ者」として追い詰められていく。伏線として描かれているのが彼の父親としての苦悩。「自分の職業を息子ジョーイ(キャメロン・ブライト)はどう受け止めているのだろう?」。天性とも言える自分の生き方とモラルの狭間で揺れ動くニック。しかし、このジョーイの存在が彼を奮い立たせ、次への展開へと導いていく。
作品の根底にあるのは「自分で考えて判断することの大切さ」というメッセージ。“情報操作”がはびこるアメリカ社会において、主体性を持たず、ただ追従するだけの風潮に警鐘を鳴らしているとも言える。
監督・脚本は、本作が長編監督デビュー作となるジェイソン・ライトマン。タバコが題材であるのに、喫煙シーンを一度も描くことなく見事に仕上げている。
※(C)2006 TWENTIETH CENTURY FOX
※10月14日(土)よりシャンテシネほか全国順次公開
詳しくはhttp://www.foxjapan.com/movies/thankyouforsmoking/
