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第29回: 英語の履歴書
執筆者: きょうこ先生
場所: 東京
掲載日: 2006-10-26
先日、私が新卒で就職した会社の元上司、Aさんから久しぶりに連絡がありました。もう50過ぎのオジサマですが、海外赴任で10年以上もアメリカに住み、そのままアメリカで転職する決意をしたというのです。
Aさんは大学卒業以来ずっと同じ会社に勤めていたので、生まれて初めて転職を経験することになります。しかも、海外生活が長いとはいえ英語の履歴書は書いたこともありません。転職&英語の履歴書では私の方がずっと先輩ということで、助けを求めてきたようです。昔の上司にエラそうにできるなんてめったにないチャンス・・・いや、昔の上司にいまだ頼りにされるというのは嬉しいもの、早速Aさんの書いた履歴書を見せてもらうことにしました。
Aさんのキャリアはなかなかのものです。アメリカ支社の売上も会社の規模も、彼がアメリカ支社の社長に赴任してから大きく成長しました。履歴書にも実績がちゃんと数字で示せるので魅力的に仕上がっているのですが、どうも私はこの履歴書が気に入りませんでした。文体がよくないのです。
Aさんは「すでにアメリカ人にチェックしてもらった」といいますが、ライター兼編集者でもある私の目には、「こっちの文章は過去形で書かれているのにこっちは分詞形になっちゃってるよ」とか、「一人称(I)を使ってる文章があるかと思えば、こっちの文章は一人称を全然使わないようにしてるよ」とか、細かい文体の不一致が気になって仕方ありませんでした。意味が全くわからないところは確かにないのですが、統一性のない文章は正直「あまりカッコよくないな」と思わざるを得ませんでした。
チェックしたアメリカ人は、もしかすると「経歴が勝負なんだから内容が伝わればいい」と思っていたのかもしれません。もしくは、「なんとなく文体がおかしい気がするけど、直すほどじゃない」ということだったのかもしれません。でも、どうしても気になった私は、アメリカ人でフリーランス編集者として活躍する知り合いをAさんに紹介し、「プロに編集してもらった方がいいんじゃないか」と提案しました。

アメリカ人(というか英語が母国語の人たち)が、どれほど文体に対して厳しい目で見ているかはわかりません。もしかすると私が異常に神経質で、Aさんの履歴書の文体は普通の人にとって全然気にならないものだったのかもしれません。でも、日本人の私たちだって、履歴書に誤字・脱字や、「てにおは」の使い方の間違いを発見したらちょっと気になりますよね。それを思うと、やはり英語の履歴書を提出する時にはちゃんと厳しい目で「てにおは」レベルのチェックは受けたほうがいいんじゃないかと思ったのでした。
