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第21回 : Iraqi oil

執筆者: 正木寿根
掲載日: 2006-12-05

今回のキー表現 minuscule


Japan energy: Goodbye Iran, hello Iraq

By Hisane Masaki

TOKYO - Fresh from a serious setback in Iran, where it lost its controlling stake in the huge Azadegan oilfield, Japan has launched diplomatic efforts in earnest to secure petroleum in neighboring Iraq. Japan imports almost all of its crude oil, and nearly 90% of that comes from the Middle East. At present, Iraqi oil accounts for only a minuscule percentage of the East Asian country's overall imports.

(Asia Times   November 7, 2006)


*引用文は原文と一部異なることもあります
  • fresh from  ~から出たての
  • setback  挫折, つまずき
  • controlling stake  支配的利権、会社を支配するのに十分な持株、支配株式、支配持分
  • huge  非常に大きい、巨大な
  • oilfield  油田
  • launch  打ち上げる、始める
  • diplomatic effort  外交努力
  • in earnest  真面目に、本気で、真剣に、本格的に
  • secure  確保する
  • petroleum  石油
  • neighboring  隣接する、近隣の
  • import  輸入する;輸入
  • crude oil  原油
  • at present  現在は、現在のところは
  • account for  ~の割合を占める
  • minuscule  極小の、非常に小さい、極めて小さい
  • overall  全体的な、全般的な、全部の

和訳

イランで巨大なアザデガン油田の支配持分を失うという深刻なつまずきを経験したばかりの日本が、イランの隣国・イラクでの石油確保に向け本格的に外交努力を始めた。日本は原油のほぼ全量を輸入に頼っており、そのうち9割近くが中東からだ。現在、イラク原油が日本の原油輸入全体に占める割合はごくわずかにすぎない。

覚えておきたい関連・応用表現

  • crude (= crude oil)  原油
  • oilfield (= oil field)  油田
  • gas field  ガス田
  • block  鉱区
  • oil reserves  石油埋蔵量、石油備蓄
  • proven reserves  確認埋蔵量 
  • estimated reserves  推定埋蔵量
  • oil exploration  石油探査
  • oil prospecting  油層探鉱
  • pump oil  石油を汲み出す
  • oil wealth  石油の富
  • energy security  エネルギー安全保障
  • liquefied natural gas (= LNG)  液化天然ガス
  • oil refinery  精油所、製油所
  • barrels per day (bpd)  バレル/日、日量当たりバレル
  • Production Sharing Agreement (= PSA)  生産分与協定 
  • hydrocarbon  炭化水素
  • saboteur  破壊工作員、サボタージュを行う人
  • pipeline  パイプライン

解説

第21回 : Iraqi oil
イラクのHussain al-Shahristani石油相が10月下旬、オーストラリア、日本、中国を歴訪した。日本を訪れる2週間ほど前には、日本の国際石油開発がイランのAzadegan油田の権益の大半を失ったばかり。エネルギー資源の乏しい日本は原油のほぼ全量を輸入に頼っている。そのうち90%近くが中東からだ。また、日本は世界最大の液化天然ガス(LNG)輸入国でもある。原油・天然ガスなどの資源価格高でエネルギー安全保障への危機感が高まったのを受け、経済産業省は5月末、「新国家エネルギー戦略」をまとめた。石油依存度の引き下げ、原子力発電の推進などに加え、自由貿易協定(FTA)を柱とする経済連携協定(EPA)締結や経済協力などを通じて資源保有国との関係を強化し資源の安定供給を図るなどの中長期的対策が盛り込まれた。また、日本の自主開発原油、いわゆる「日の丸原油」の割合を2030年までに輸入全体の40%(現在は15%弱)に高めるという目標を打ち立てた。しかし、国際石油開発は核開発問題の渦中にあるイランのAzadegan油田の権益を75%から10%へと大幅に失った。同油田は推定埋蔵量が260億バレルと世界最大級。この結果、経済産業省が「新国家エネルギー戦略」で打ち出した「日の丸原油40%」という野心的な目標の達成はますます難しくなった。そこでサウジアラビア、イランに次ぐ原油埋蔵量をもつといわれるイラクへの期待は日本で一層高まっている。

日本は2003年10月のイラク復興支援会議で、無償資金協力15億ドル、円借款35億ドルの計50億ドルの拠出を表明している。米国を除けば、最大の支援額だ。無償資金協力はほぼ拠出済みだが、円借款は大半が未拠出で、2007年末までに拠出される予定だ。円借款の対象プロジェクトは石油・天然ガス分野のインフラ整備が中心となる見通しだ。イラクは世界第3位の原油埋蔵量をもつといわれるが、長年の国連制裁や戦争で未開発油田が多い。これまでに発見された80の油田のうち実際に生産しているのは四分の一に過ぎない。現在、イラク原油が日本の原油輸入に占める割合はわずかだ。日本政府は、円借款などの経済協力を通じてイラクの復興プロセスに積極的に関与することで、同国での資源権益確保につなげたい考えだ。日本がとくに狙っているのはEast Baghdad油田(推定埋蔵量180億バレル)とイラク南部のGharraf 油田(確認埋蔵量11億バレル)、Tuba油田(同15億バレル)だと見られている。al-Shahristani石油相はアジア歴訪から帰国後、日本企業がイラク南部のNassiriya油田(確認埋蔵量20億―26億バレル)にも関心を示していることを明らかにしている。イラクの石油開発に本格的に乗り出すことになった日本だが、イラクでは治安状況はむしろ悪化しているうえ、急速な経済成長に伴うエネルギー需要の急増で世界中で石油・天然ガスなどの資源確保に躍起の中国もイラクの豊富な資源を狙っており、日本の期待どおりに事が運ぶかどうか予断を許さない。中国は日本を抜いて、米国に次ぐ世界第2位の石油消費大国となっている。日本貿易振興機構(ジェトロ)のレポートによると、中国の石油消費量は2020年までに現在の約2倍になる見通しだという。中国はまた、LNGの輸入も今年、開始した。将来は日本と並ぶLNG輸入大国となる見通しで、エネルギー資源争奪戦はますます激化しそうだ。

今回のキー表現 minuscule 「極小の、非常に小さい、極めて小さい」 は経済成長(率)などを形容する単語としても使われる。

経済や経済成長(率)が「非常に低い」「非常に弱い」「微々たる」「活気のない」場合などはtiny 「ちっぽけな、極めて小さな」、paltry 「取るに足りない、微々たる」、tepid 「なまぬるい;熱意のない、気のない」、anemic 「貧血(性)の、活気のない、元気のない」、lackluster 「活気のない、元気のない、艶のない、精彩を欠く」などの単語がある。

逆に経済や経済成長(率)が「力強い」「活気のある」場合はstrongのほかに、robust 「頑丈な、頑強な、(力)強い」、vibrant 「活気に満ちた、活気にあふれた、力強い」、hefty 「かなりの、たくさんの;大きい、大きな、重い」、heady 「せっかちな、向こう見ずな、わがままな、頑固な、強情な、激しい」、high-flying 「高く飛ぶ、高空飛行の;高値の」、red-hot 「赤熱の、熱くなっている、猛烈な」、runaway 「どんどん上昇する、急騰する」などがある。

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