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第22回 : Japan’s white knight

執筆者: 正木寿根
掲載日: 2006-12-20

今回のキー表現 at odds


Qatar, Japan's energy white knight

By Hisane Masaki
TOKYO - Qatar is expected to emerge as a country that holds the key to Japan's future energy security as it becomes the country's biggest supplier of liquefied natural gas (LNG) around 2010. During his recent visit to Tokyo, the Qatari energy and industry minister said the Persian Gulf state plans nearly to double LNG exports to Japan by 2010. This news has come as a godsend for Japan at a time when Indonesia, its current No 1 supplier of LNG, is considering cutting in half shipments to the country from 2010. At the same time, Japan and Russia remain at odds over the Sakhalin-2 oil-and-gas project in the Russian Far East.

(Asia Times   December 5, 2006)


*引用文は原文と一部異なることもあります
  • white knight  白馬の騎士、救済者、救世主;乗っ取り攻勢を受けた企業を救うため友好的な買収を申し出る会社
  • emerge as  ~として現れる[浮上する]
  • hold the key to  ~の鍵を握る
  • energy security  エネルギー安全保障
  • supplier  サプライヤー、供給業者、供給者、原料供給国
  • liquefied natural gas (LNG)  液化天然ガス
  • Persian Gulf state  ペルシャ湾沿岸国
  • nearly  ほとんど、ほぼ、大体
  • double  ~を2倍にする;2倍に;2倍の
  • godsend  天の恵み、思わぬ幸運
  • at a time when  (when以下)という時に
  • current  現在の
  • consider  検討する
  • cut ~ in half  ~を半分に切る、半分にする
  • shipment  積み荷、積出し、船積み(荷)、発送(品)輸送、出荷
  • at the same time  同時に
  • remain at odds over  (~をめぐって)不仲のままである、意見の一致をみていない
  • Russian Far East  ロシア極東

和訳

ペルシャ湾沿岸国のカタールが2010年頃、日本の最大の液化天然ガス(LNG)供給国となることで、日本の将来のエネルギー安全保障の鍵を握る国となる見通しだ。カタールのエネルギー・産業大臣は最近、東京を訪れた際に、2010年までに日本向けLNG輸出をほぼ倍増させる計画を明らかにした。日本の現在のLNG最大供給国であるインドネシアが2010年から対日輸出を半減させることを検討している中で明らかになったカタールの対日輸出計画は日本にとって思わぬ朗報となった。日本はまた、ロシアとの間でもロシア極東の「サハリン2」石油・天然ガスプロジェクトをめぐって意見が対立したままだ。

覚えておきたい関連・応用表現

  • liquefied petroleum gas (LPG)  液化石油ガス 
  • LNG receiving terminal  LNG受け入れ基地
  • ship  (船便・航空便で)輸送する、出荷する、発送する
  • resource-rich country  資源の豊富な国
  • resource-poor country  資源の乏しい国
  • oil-rich country  石油の豊富な国
  • stable energy supply  エネルギーの安定供給
  • long-term contract  長期契約
  • expire  (契約の)期限が切れる
  • energy developer  エネルギー開発業者
  • energy resource development project  エネルギー資源開発プロジェクト
  • upstream  上流部門 (注)原油の探鉱、試掘、埋蔵量の評価・確認を基に行う開発、掘削、生産までの事業範囲のこと。
  • downstream  下流部門 (注)輸入国への原油の輸送、備蓄、精製、製品化から、石油製品の販売までのすべての企業活動が含まれる。
  • offshore oil field  沖合油田、海底油田、海洋油田
  • gas-to-liquid (GTL)  ガス・ツー・リキッド  (注)天然ガスを、燃料油やナフサなど液体燃料に転換する技術

解説

第22回 : Japan’s white knight
中国、インドなどの新興経済国の旺盛なエネルギー需要に支えられ、原油・天然ガスなどの価格が高止まりしている。こうした中、エネルギー資源獲得競争も激化しており、資源の乏しい日本にとってエネルギーの安定供給を中長期的にいかに確保していくかは最重要課題となっている。最近、中東の産油国、カタールのエネルギー・産業相が訪日し、2010年までに対日液化天然ガス(LNG)輸出をほぼ倍増させる考えを表明した。対日LNG輸出を大幅に減らす方針のインドネシアに代わり、カタールは近い将来、日本にとって最大のLNG輸入先になる見通しで、日本のエネルギー安全保障の鍵を握る国となりそうだ。

11月末に訪日したカタールのAbdullah bin Hamad al-Attiyah(アブドッラー・ビン・ハマド・アール・アティーヤ)エネルギー・産業相は、滞在中、通信社とのインタビューで、「我々は日本にとってより信頼できるエネルギー供給国になることを望んでいる」と述べ、対日LNG輸出を現在の年600万トンから2010年には倍近い1100万トンへと増やす計画を明らかにした。日本は原油のほぼ全量を輸入に頼っている。そのうち約90%が中東からだ。日本は米国に次ぐ世界第2位の原油輸入国。ただ、国内原油で需要のほぼ半分を満たしている米国と異なり、日本のエネルギー安全保障の脆弱性は際立っている。また、日本は世界最大のLNG輸入国で、世界のLNG輸入全体の4割強を占めている。原油・天然ガスなどの価格高でエネルギー安全保障への危機感が高まったのを受け、経済産業省は5月末、「新国家エネルギー戦略」をまとめた。同戦略は、日本の自主開発原油、いわゆる「日の丸原油」の割合を2030年までに輸入全体の40%(現在は15%弱)に高めるという目標を打ち立てた。しかし、国際石油開発は核開発問題の渦中にあるイランのアザデガン油田の権益を75%から10%へと大幅に失った。同油田は推定埋蔵量が260億バレルと世界最大級。この結果、「日の丸原油40%」という野心的な目標の達成はますます難しくなった。また、日本の中長期的な天然ガス供給への懸念も高まっている。日本のLNGの最大輸入先であるインドネシアが、現在の契約が切れる2010年頃、国内需要に回すため、LNGの対日輸出量を大幅に削減する方針を決めた。インドネシアからの輸入減を補うと期待されているロシアの「サハリン2プロジェクト」も暗礁に乗り上げている。こうした中で明らかになったカタールの対日LNG輸出大幅拡大計画は、日本にとって思わぬ朗報だ。

昨年の日本のLNG輸入は5800万トン。そのうち25%はインドネシアからの輸入。カタールはインドネシア、マレーシア、オーストラリアについで4番目のLNG輸入先で、昨年の輸入量全体の11%を占めた。カタールの天然ガスの確認埋蔵量は25兆7800億立方メートルとロシア、イランに次いで世界3位。カタールがインドネシアを抜いて世界最大のLNG輸出国となるのは時間の問題だ。カタールのal-Attiyahエネルギー・産業相は訪日の際、LNGの対世界輸出を現在の2900万トンから来年は3500万トンに拡大する計画を明らかにした。また、その後さらに拡大ペースを速め、2010年には7700万トンになるとの見通しを示した。カタールは日本にとって、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、イランに次いで4番目の原油輸入先でもある。今年に入り、イランからの原油輸入が減る傾向にある中、カタールからの輸入は順調に拡大している。

at odds withは「~と衝突して、対立して、争って」の意味。 同じ意味でよく使われる表現にat loggerheads withがある。 pit A against Bは「AとBを戦わせる」の意味で、an issue that has pitted A against Bとすれば「AとBを対立させている問題」の意味。locked in という表現もよく使われるので覚えておきたい。(be) locked in a diplomatic disputeは「外交問題でこう着状態にある」、(be) locked in a neck-and-neck raceは「大接戦を演じている」の意味。

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