ebenkyo

メインメニュー

eBenkyoの記事を検索

キーワード:
イー・ムービー

不都合な真実

執筆者: 三田法子
掲載日: 2007-03-22

深刻な事態に直面している地球。
先に延ばしたり、他人に任せている場合じゃない。


2005年にアメリカを襲ったハリケーン・カトリーナ、そして日本でも集中豪雨や、竜巻の襲来など異常気象からの災害は記憶に新しい。暖冬や夏の異常な暑さなど、地球の変化を肌で感じているはずなのに、皆「地球温暖化」(global warming)という言葉に慣れすぎてしまっているのか? 危機感を持たず「温暖化なら仕方ない」と、思考を止めてしまっている気がしてならない。

本作は、クリントン時代の副大統領で、ブッシュと政権を争ったアル・ゴアが、地球温暖化防止をテーマにアメリカを中心に世界中で1000回以上行ったスライド講演を収録したドキュメンタリーである。ゴア自身が足を運び集めたとされるスライドを通してプレゼンテーションが展開され、世界各地の異常現象が如実に浮かび上がる。
水が干上がり砂漠化した湖、氷の溶解で40%も縮小した北極。その結果、氷を探して100キロも泳ぎ続けた挙句、溺死している北極グマ。海面上昇で沈む南の島。これらの環境破壊によって20万人もの難民たちが生き延びる場所を探し、大移動しなければならない時がやってくるという。次々に明かされる驚愕の真実。

情報ハイウェイを提唱したゴアが「環境問題」と言っても、ピンと来ない人は多いかもしれない。しかし彼が「環境問題」に危惧を抱き始めたのは政治家になる前の60年代後半。その頃すでに「地球温暖化問題」に取り組んでいた教授に師事したことがきっかけとなったという。その後、70年代後半には議会で環境問題に関する初の聴聞会をまとめ、80年代には各国の首脳たちと話し合いを始めている。しかし彼をここまでこの問題にのめり込ませることになったのには、実は個人的な理由があった。作中で語られる、自身の息子が89年に交通事故に合い生死を彷徨う重症を負った経験。そこから奇跡的に生還した息子に未来のある地球を残したい、という揺るぎない決意が生まれたのだという。

タイトルの「An inconvenience truth /不都合な真実」からわかるように、真実を認めることに不都合を感じる時の権力者たちは多い。ブッシュ政権は「地球は温暖化していない」とし、京都議定書(Kyoto Protocol [Treaty] /1997年に京都で開かれた地球温暖化防止京都会議で採択された)を未だに批准していない。

2000年の大統領選では、票の数え直しというまさかの事態により、ブッシュに僅差で敗れたゴア。失意の底から立ち上がり、その後、地道に続けられた講演活動。それは多くの人々の心を動かし、映画化され、世界中に「真実」を伝えるという形で実を結びつつある。

私たちにできること(What you can do)が公式サイトで紹介されている。以下はその一部。

・ 使っていない電気製品のスイッチを切る
  (Turn off electronic devices you’re not using)

・ 冷暖房を夏は2°F (約1°C) 高めに、冬は2°F低めに設定する
(Move your thermostat down 2°F  in winter and up 2°F  in summer)

・ 白熱電球を電球型蛍光灯 (CFL) に交換する
(Replace a regular incandescent light bulb with a compact fluorescent light bulb (cfl))

・ 徒歩や自転車、公共交通機関の利用などでマイカーの走行距離を減らす
(Reduce the number of miles you drive by walking, biking or taking mass transit wherever possible)

今出来ることを今実行しなければ地球が壊れてしまう、と改めて自分の問題でもあることに気付かされた作品。地球に住む全ての人に見てほしい。

公式サイト http://www.futsugou.jp/
タイトル:『不都合な真実』

公開表記:1月20日(土)
TOHOシネマズ六本木ヒルズほかにて全国ロードショー
配給:UIP映画

バックナンバー

投稿

この記事に対するコメントはまだ投稿されていません。あなたの見解やアイディア、みんなの役に立つ情報を入力し、他のユーザーと積極的に意見交換しましょう。

投稿する