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第30回 : Japan and Indochina

執筆者: 正木寿根
掲載日: 2007-07-02


今回のキー表現 a tiny fraction of

Japan revs up its Indochina diplomacy

By Hisane Masaki

TOKYO - Amid intensifying rivalry between Tokyo and Beijing over influence in East Asia, Japan is revving up its drive to strengthen relations with countries in Indochina, an economically backward but geopolitically important part of the region.

The target countries are Cambodia, Laos and Vietnam, which are collectively referred to as the "CLV" countries. To be sure, these countries are all relatively small in terms of economic size and represent a tiny fraction of East Asia's economy.

(Asia Times   May 22, 2007)
http://www.atimes.com/atimes/Japan/IE22Dh01.html


*引用文は原文と一部異なることもあります
  • intensifying rivalry  激しくなる競争
  • influence  影響力
  • rev up  (エンジンの)回転数を上げる、回転速度を上げる、回転を早める
  • drive  (組織的)運動、積極的な努力
  • strengthen  強化する
  • backward  後進的な、遅れている
  • geopolitically  地政学的に
  • collectively  集合的に、集団で、共同で
  • referred to as  ~と言われる、~と呼ばれる
  • to be sure  いかにも、なるほど、確かに
  • relatively  相対的に、比較的
  • in terms of  ~の点で、~の点では
  • economic size  経済規模
  • represent  表す、意味する、~に相当する
  • a tiny fraction of   ~のほんの一部

和訳

日本と中国との間で東アジアにおける影響力をめぐって競争が激しくなっている。そうした中、日本が対インドシナ諸国関係強化の動きを強めている。インドシナは東アジアのなかで経済発展が遅れた地域だが、地政学的に重要な位置を占めている。対象となっているのはカンボジア、ラオス、ベトナムの「CLV」と呼ばれる3か国。確かに、これら3か国はいずれも経済規模は比較的小さく、東アジア経済全体に占める割合はほんのわずかにすぎない。

覚えておきたい関連・応用表現

  • Treaty of Amity and Cooperation in Southeast Asia (= TAC)  東南アジア友好協力条約  (注)1976年調印
  • peaceful settlement of conflicts  紛争の平和的解決
  • non-interference in internal affairs  内政不干渉
  • Spratly Islands  南沙諸島
  • Mekong River basin  メコン川流域
  • Greater Mekong Subregion (GMS) Economic Cooperation program  拡大メコン地域(GMS)経済協力プログラム
  • East-West Corridor  東西回廊
  • North-South Corridor  南北回廊
  • “a value-oriented diplomacy”  「価値重視外交」、「価値観外交」
  • “arc of freedom and prosperity” initiative  「自由と繁栄の弧」構想
  • Freedom House  フリーダムハウス  (注)世界各国の自由度について毎年格付けを行っている米国のNPO
  • “constructive engagement”  「建設的関与」
  • share common values  価値観を共有する
  • freedom and democracy  自由と民主主義
  • market economy  市場経済
  • respect for human rights  人権の尊重
  • rule of law  法の支配
 

解説

第30回 : Japan and Indochina
日本と中国との間で東アジアにおける影響力をめぐって競争が激しくなっている。そうした中、日本が対インドシナ外交を加速させている。インドシナ半島は東アジアのなかでも最も経済発展が遅れた地域だが、地政学的に重要な位置を占めている上に東南アジア諸国連合(アセアン)のメンバー国でもある。また、近年は、中国雲南省からインドシナ半島を南北に貫いて流れるメコン川流域の開発が進み、日中などの企業の間でも急速に関心が高まっている。日本政府は今年、カンボジア、ラオス、ベトナムの3か国(頭文字をとりCLVと呼ばれる)の首脳を相次いで招き関係強化を図る。

CLV諸国の経済規模は小さく、東アジア経済全体に占めるウエートは極めて小さい。2005年の日本、中国(香港を含む)、韓国、台湾、アセアン(10か国が加盟)の国内総生産(GDP)の合計は約9兆ドル。そのうちCLV3か国のGDPは合わせても620億ドルと1%にも満たない。また、3か国の中で最も経済規模の大きなベトナムが620億ドルのうち85%(528億ドル)を占めている。しかし、日本のアジア外交にとってCLV諸国は経済的統計が示す以上にはるかに重要な地域となっている。その主な理由は3つある。

まず1つは、中国、インドという世界1位、2位の人口を抱える大国に挟まれた地政学的な要衝に位置すること。とくに、中国は近年、インドシナ半島での影響力を急速に強めている。2つめは、CLV諸国はアセアンのメンバー国であること。アセアンは近年、東アジアの経済統合の核となっており日中両国が競って関係強化を図っている。CLV諸国と同じくインドシナ半島に位置するミャンマーを合わせて頭文字をとりCLMV諸国とも呼ばれる。これら4か国はいずれも1990年代後半にアセアン加盟を果たしている。これらの後発加盟国の経済発展は2015年の「経済共同体」創設を目指すアセアンにとって最重要課題となっており、経済的支援などを通してのCLV諸国との関係強化はアセアン全体との関係強化につながり、ひいては東アジアでの発言力、影響力を強化することになる。3つめは、CLV諸国、とくにベトナムが日本企業の間でも投資先として注目されるようになってきたこと。東アジアでは日本企業を中心とする生産・流通のネットワーク化で事実上の経済統合が進んでいる。業路・橋の輸送網の整備などインドシナ半島のインフラ開発が進みベトナムだけでなくラオスやカンボジアへの日本企業の関心も徐々に高まっている。

対CLV諸国外交を加速させている日本政府は5月中旬、ブアソーン・ラオス首相を招いた。安倍首相はブアソーン首相に対し、ラオスの開発のための支援を継続することを約束。また、両首相は、経済成長には政府開発援助(ODA)だけでなく、民間による投資促進が重要であるとの認識で一致。2国間投資協定の早期締結を目指して交渉を加速することで合意した。また、ラオスの投資環境改善のための「日本・ラオス官民合同対話」を年内に立ち上げることを決めた。ブアソーン首相に続き、6月中旬にはカンボジアのフン・セン首相が訪日した。フン・セン首相の滞在中に、日・カンボジア両政府は日本企業の対カンボジア投資促進を図るための投資協定に調印した。また、11月にはベトナムのグエン・ミン・チエット大統領が訪日する予定だ。ベトナムからは昨年10月、グエン・タン・ズン首相が安倍政権発足後最初の政府招待の外国要人として訪日し、安倍首相との首脳会談で「戦略的パートナーシップ」を構築していくことで合意している。

とくに経済ニュースなどの場合、同じ単語を何度も使うと文章が単調になってしまう。そのため、同じ意味をもつ単語をいくつか使うことが多い。例えば、経済成長などを形容する単語は数多くある。比較的頻繁に使われるものをいくつか紹介しておこう。成長が「力強い」場合、strong ; robust ; heady、逆に成長(率)が「非常に低い」、「非常に弱い」、「微々たる」場合は lackluster ; paltry ; anemic ; tepid ; minuscule ; tiny などがある。また、runaway 「どんどん上昇[進行]する、上昇の一途をたどる、急騰する」、brisk 「活発な」、red-hot 「猛烈な、とても活気づいている」、breakneck pace 「猛烈なスピード」なども頻繁に使われるので覚えておきたい。
 

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