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第36回: やたらと言葉を略しちゃダメかしら?
執筆者: きょうこ先生
場所: 東京
掲載日: 2007-12-10
やたらと言葉を略しちゃダメかしら?

ソフトバンクのお父さん犬が牙をむいて反論していた略語「タダの友達、つまりタダ友です」っていうのは、まさに「なんじゃそりゃ?」レベルですが、今回はアタリマエのように使われている英語の略語と、きょうこ先生が感心した略語を紹介したいと思います。
まずは一般常識レベルから。すでに日本人同士でもメールのタイトルに使う人もいるほどポピュラーな略語となった言葉のひとつに「FYI」があります。この言葉、元は「For Your Information」の略で、「ご参考まで」とか「ちなみに」といったように、ちょっとした情報を相手に伝える時に使います。もちろんこれは和製英語でも何でもありません。英語圏の人と話していて、「For your information」と略さずに使うケースもあれば、「FYI」と言う人もいるくらい、定着した略語です。
そして次は「FAQ」。これも、すでに日本のホームページなどでも見かける略語となりました。これは「Frequently Asked Question」、つまり「よくある質問」の略。ホームページのサポート欄には、「Q&A」と並んで「FAQ」が多く使われています。
さて、少し専門的な略語も見ておきましょう。それは、何でも略すのが大好きなIT業界です。IT業界に対しては、マジで「やたらと言葉を略すんじゃない!」って言いたくなるほど略語が反乱していますが、新しい技術が次々と登場し、その技術をどう呼ぶかを決める際、既存の言葉を組み合わせることになり、それが長すぎて略語になる、という経緯をたどっているような気がします。
例えばみなさんも一度は耳にしたことがあると思われる「ADSL」という言葉。ブロードバンドインターネットの接続方式のひとつで、きっとこのコラムをADSL経由で読んでいらっしゃる方も多いかと思います。これは「Asymmetric Digital Subscriber Line」(非対称デジタル加入者線)を略した言葉で、日本語にしろ英語にしろ、そのまま使うと難しいですよね。他にいい言葉はなかったのかとも思いますが、いまやADSLという略語で落ち着いてしまいました。
ADSL以上に古くからある言葉で、完全に定着している言葉もあります。それは銀行の「ATM」。もともとは「Automated Teller Machine」で、文字通り銀行のTeller(窓口係)の仕事を自動化(Automate)した機械のことです。日本語では「現金自動預け払い機」と言うそうですね(私は言いませんが)。
そのADSLとATMですが、あまりにも略語として定着しすぎて、元の言葉が何だったのか忘れている人が多いようです。というのも、「ADSL Line」や「ATM Machine」と言っている人の多いこと。「ADSL Line」は「Asymmetric Digital Subscriber Line Line」だし、「ATM Machine」は「Automated Teller Machine Machine」になっちゃいます。日本語でも「ADSL回線」や「ATM機」と言う人を見かけますが、それはADSLやATMがもともと英語だから仕方ないでしょう。でも、英語圏でもこんな言い方をする人がいるなんて。まぁ、それほどこれらの略語が市民権を得ている証拠でもあるので、口語では気にせず「ATM Machine」と言っても許されると思います。
さて、これまで紹介したのは長い言葉の頭文字を取って略したパターンですが、今度はおやじギャグ好きのきょうこ先生が座布団を2枚くらいあげたくなる略語を紹介します。それは、1990年代後半に登場したインスタントメッセンジャーソフトの「ICQ」。目で見ると何かの略語かな?と思えるこの名前を発音してみると・・・そう、「I seek you」なのです! なんてステキなネーミングなんでしょう。
そしてもうひとつは「IOU」。ICQをヒントにして読めば、すぐにわかる人もいるかもしれません。これはきょうこ先生がアメリカの会社に勤めていた頃、郵便物管理係のおじさんが社員全員に送った「個人的な郵便物の扱いについて」という注意書きで出会った言葉です。そこには「切手代はその場で支払うこと。No IOUs!」とありました。「コレ何て意味?」と隣にいた同僚に聞くと、「読んでごらん。I owe youよ。つまり、あとで払うってのはダメってこと」--なるほど、座布団2枚!と思ってしまったきょうこ先生でした。
