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第34回 : PM in fight for life

執筆者: 正木寿根
掲載日: 2008-01-23

今回のキー表現 general election


Japan's Fukuda in a fight for his life

By Hisane Masaki

TOKYO - Japanese Prime Minister Yasuo Fukuda continues to face the daunting challenge of pushing through his agenda in the new harsh political landscape. With a formidable opposition force, declining poll ratings and a possible general election in the new year, he is expected to keep struggling.

(Asia Times   Dec.22, 2007)
http://www.atimes.com/atimes/Japan/IL22Dh01.html


*引用文は原文と一部異なることもあります
  • face ~に直面する
  • daunting 人の気力をくじく、おびえさせる
  • challenge 難問、難題、試練
  • push through (議案を)押し通す、(仕事を)やり遂げる
  • agenda 重要な政治課題、政策、議題
  • harsh 厳しい
  • political landscape 政治風景、政治的な展望
  • formidable 強力な、手強い
  • opposition force 野党勢力
  • poll rating 世論調査の支持率
  • possible 可能な、ありうる
  • general election 総選挙
  • struggle 苦闘する、もがく

和訳

日本の福田康夫首相は、新たな厳しい政治環境の中で政策課題を押し進めるという困難な試練に引き続き直面している。強力な野党勢力の存在、世論調査での支持率の低下、そして新年には総選挙もありうる状況で、首相の苦闘は続きそうだ。

解説

第34回 : PM in fight for life
2007年から2008年へ年が変わり、干支も亥(イノシシ)から子(ネズミ)になった。2006年9月に小泉純一郎氏の「構造改革路線」(structural reform drive)を引き継ぐ「正統な後継者」として、大変高い国民の人気を背景に首相(自民党総裁)に就任した安倍晋三氏は、「美しい国」創りを政権のスローガンに掲げ憲法改正、教育改革など保守的理念の実現による「戦後レジームからの脱却」を目指した。だが、亥(イノシシ)年である2007年に入ると、安倍政権は「猪突猛進」するどころか、年金問題や自殺者まで出した相次ぐ閣僚の不祥事などで世論の支持を失い急速に失速してしまった。7月の参議院選挙で与党が過半数割れし、民主党が初めて参議院(the House of Councilors:the Upper House)の第一党となり、結局、安倍氏は9月には政権を投げ出してしまった。9月に安倍氏の後継として首相(自民党総裁)に就任した福田康夫氏は、元々、官僚的であるうえに、参議院選挙後の「ねじれ国会」という新しい政治の現実、今年予想される衆議院(the House of Representatives:the Lower House)の解散(dissolution)・総選挙(general election)を前にして「変化」、「改革」よりも「安定」、「格差など改革に伴うひずみの是正」を優先させている。自らの内閣を「背水の陣」内閣と命名した福田首相は1936年の子(ネズミ)年生まれで、今年は年男であるが、大変な試練の年となる。

今年の国内政治の最大の焦点は衆議院解散・総選挙がいつあるかだ。自民・公明の与党は総選挙をできるだけ先延ばししたい考えで、福田首相自身、解散・総選挙は7月の主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)以降にする意向を表明している。年金問題や防衛省をめぐる汚職事件などで支持率が急落している福田首相としては、華々しい首脳外交の場であるサミットを議長として成功させることで外交得点を稼ぎ、少しでも政権浮揚につなげたいところだ。次の総選挙で、参議院同様、衆議院でも与党が過半数割れし政権交代すれば「ねじれ国会」は解消するが、現状では、現在3分の2の議席を占めている与党は大幅に議席を減らすものの、過半数は維持する公算が最も大きい。そうなれば、「ねじれ国会」が続くどころか、与党にとって状況は今よりも格段と悪くなる。憲法上、予算・条約・首相指名について、両議院の議決が異なるときは、衆議院の議決が優先される。だが、3分の2の多数(a two-thirds majority)の議席が確保できなれば、野党の協力なしに一般の法案を通すことは不可能となる。

日本の国会(the Diet)は二院制(bicameral)である。憲法59条(Article 59 of the Constitution)では、衆議院で可決したものの参議院が否決した法案について、衆議院が改めて出席議員の3分の2以上で議決すれば成立させることができる。また、衆議院からの法案送付後、参議院が60日以内に議決しなかった場合も、「否決とみなし」、衆議院が出席議員の3分の2以上で再議決できる。従って、与党が衆議院で3分の2の議席をもつ限り、参議院の決定をくつがえす(override)ことができるわけだ。1月15日まで再延長され、14年ぶりの「越年国会」となった先の臨時国会(extraordinary Diet session)では、この規定に従って、与党は新テロ対策特別措置法(new anti-terrorism special measures law)を成立させることができた。だが、与党が衆議院で3分の2の議席を失えば、与野党対決法案はすべて成立せず、国会の機能は完全に麻痺してしまうかもしれない。1月18日に開会した通常国会(regular Diet session:ordinary Diet session)も、3月末に期限切れとなる揮発油税(gasoline tax:gasoline excise)の暫定税率維持を盛り込んだ租税特別措置法改正案をめぐり、緊迫した状況が続きそうだ。「ねじれ国会」がもたらす政治の行き詰まりを打開するため、次の総選挙後には、昨年11月の福田首相と小沢一郎民主党代表の会談で突然浮上したものの立ち消えとなった「大連立」(grand coalition)構想、さらには「大連立」を飛び越しての政界再編(political realignment)の動きが出てくる可能性も十分ある。

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