ebenkyo

メインメニュー

関連の記事

eBenkyoの記事を検索

キーワード:
きょうこ先生

第14回:外来語のおはなし

「最近の若者の言葉はさっぱり意味がわからないなぁ。横文字ばかりですっかり外国語に侵されてるよ」。時々耳にする意見ですよね。え? あなたもお父さん・お母さんにそんなこと言われました? うんうん、わかる気がします。

確かに日本語には、英単語をはじめとする外国語が氾濫しています。IT業界で仕事をしない限り耳にしないような「ディザスタリカバリ」(災害復旧)や「ミッションクリティカル」(動きが止まると致命的、という意味でITシステムなどによく使われる言葉)など、英語をむりやり日本語の中に組み込んでしまったような言葉から、一般のオフィスでも普通に使われる「アポ(イントメント)」や「リストラ」、「マネージメント」といった言葉、さらにはあなたのお母さん、いやおばあちゃんの世代まで普通に使っている「ジュース」「ジャケット」「キャンプ」などの一般用語に至るまで、日本語には様々な外来語が存在します。

でも、「外来語」というものは、日本語に特に多いわけではありません。他言語や他文化との接触がある言語であれば、程度の差こそあれ、どの言語にも外来語は存在するものです。そういう意味からすると、島国で単一民族の日本は、歴史的に見るとむしろ外来語の少ない言語かもしれません。そしてその逆に英語は、歴史的に見ると日本語以上に外国語との接触が多かった言語で、「外来語だらけ」なのです。

英語の辞書を開いてみてください。語源が外国語の単語が載っているページを見つける方が、外来語がひとつも載っていないページを見つけるより簡単なはずです。先ほど日本語に入った外来語として例を挙げた「juice」「jacket」「camp」の3単語は、実は英語にとってもすべて外来語だったりします。それが外来語だと意識せずに使っている人の方が多いと思いますが、紛れもなくこれらの言葉は日本語にとっても英語にとっても外来語なのです。

そして面白いことに、外国語から輸入された言葉は、輸入先言語の特徴に合わせた発音にカスタマイズされることもあれば、なるべく仕入れ元に近い形で発音されることもあります。しかし、何世紀も前に輸入された言葉の場合、輸入先の言語全体が変化する際に、輸入された言葉も同様のルールで変化を起こすことがあります。

例えば英語で普通に使われている「chief」(チーフ)と「chef」(シェフ)という2つの単語。語源は2つともフランス語の同じ単語なのに、外来語として取り入れた時期が違うため、発音やつづりが違います。新しく英語に取り入れられたchefは、発音からしてフランス語の名残が感じられますが、古い時期に英語に取り入れられたchiefがフランス語だったといわれても、ピンと来ない人もいるのではないでしょうか。同じように日本語でも、「ステッキ」と「スティック」という2つの単語は、共に英語の「stick」が語源です。外来語として入ってきた時期が違うため、発音が全く異なります。

ただ、日本語は古くに取り入れた外国語の場合も、書き言葉にすればカタカナです。その点、日本語は時が経っても外来語は外来語だということがわかりやすい言語なのかもしれませんね。

バックナンバー

投稿