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NOMI SONG

NOMI SONG
NOMI SONG

天使の歌声とポップアートが融合
時代が求め、時代に消えたパフォーマーのドキュメンタリー

70年代後半。疲弊した既存の音楽シーンの破壊を目論んだパンクロックが自滅。そこで新しい音楽的価 値を模索し、生まれたのがニューウェーブだった。パンクの精神だけを引き継いだバンドもいれば、スカや レゲエ、アフリカンなどエスニックにルーツを求めた者もいた。シンセサイザーを駆使し、テクノという新 しいジャンルも生まれた。要するに、当時は音楽的に何でもありだったのだ。


ビッド・ボウイとの競演が スターダムへの道を加速させる。

ビッド・ボウイとの競演が スターダムへの道を加速させる。

そんなシーンの中に突然登場したのが、クラウス・ノミだ。自らをエイリア ンと謳い、髪型とタキシードをトライアングルにシンボライズしたルックス。そして何よりもマリア・カラス並みと言われた美声を持ち、オペラとロッ クの融合を目指した。彼の存在は何でもありの時代にあっても、特異な存在 としてNYのクラブシーンで注目されるようになった。この映画は、ノミを取り巻く人物たちのインタビューを軸に彼の真実に追った物語である。

映画の中から見えてくるノミのルーツは、意外に単純だ。若いバンドのあ りがちなサクセス・ストーリーの中に、オペラ歌手になりたかったノミがいた。ただそこで違ったのは、ノミが持つ天使のような歌声と、新しい音楽の創出を目 指した時代とが一致したこと。ノミは、単純なギミックを、アート の領域まで高め、新しい音楽として魅せることができた点だ。

今、見るとちょっとチープなエイリアン的演この映画の微笑ましい部分だ。

今、見るとちょっとチープなエイリアン的演この映画の微笑ましい部分だ。

ノミは、その特異さとイメージ戦略が当たり、次第に成功への道を歩み始める。デビッド・ボウイとの競演をはじめ、日本でも広告に使われるなど、その 存在感を増していった。しかし、早すぎた成功を夢見たノミは、やがてバンドとの軋轢を生み、次第に孤独になっていく。さらに追い打ちをかけるように、悲劇 的なエイズの宣告が待っていた。そして死へと導かれていく。

今でこそ、ソプラニスタがバラエティ番組に登場し、カウンターテナーがアニメの主題歌を歌う。また、ゲイであることをカミングアウトしたところで、 当たり前のように受け入れられている。ノミが現代に生まれていれば、エイリアンを演じなくても、その素晴らしい歌声で違った成功の方法があっただろう。ま た随所に見られるNYアンダーグランドのシーンの映像からは、世界中の田舎者の観光地と化した今のNYからは感じることのできない空気があふ れている。ノミがクラウス・ノミであるためには、あの時代のあの瞬間しかなかった。そんな当時の空気を見事に切り取って、スクリーンに詰め込んでいる。

6月25日より【シアター】イメージフォーラムにて全国順次公開
詳しい情報はhttp://www.elephant-picture.jp/nomi/

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